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今は主家を離れ浪々の日々を過ごす、名も無きトシヨリでごぜえます。

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当地では葬儀の「おとき」が終わって解散かと思い、それでオシマイかと安心したらアカンでっせぇ。

「おとき」が終わり家に帰ると、一息するヒマも無く、すみやかに「寺参り」つうのをしなければアカンのです。

まぁ・・旦那寺へ「ありがとさんでした」と家族一同が、お礼を言いに行くのが主旨らしい。

で、寺へいくと、坊さんが本尊さんの前で経を唱え、焼香し、客間で茶をすすってから家に帰ります。

やれやれ、これでホンマに今日は終わったなぁ・・と安心してグタッと畳の上に倒れ込んだらアカンのです。

気をしっかり持ち直して起きあがり、その後には「念仏」と言って、近所の人がワラワラ・・と家に集まって来ます。

で、何するかと言うと、その家の宗旨によって御詠歌唄ったり、「ナマンダブ」とか「ホーレンゲーキョー」を唱えたりするらしいですなぁ。

「・・ですなぁ」というのは、σ(*_*)は未経験なので、この「念仏」数年前にσ(*_*)とこの地区だけ廃止になり、他地区ではまだ続けてるらしいです。

数年前の地区の「草刈り」が有った時、「念仏を止めよう」という声があがりました。

それを言い出したのが、トシヨリだったから良かったのですねぇ。

σ(*_*)みたいヨソモンとか若い衆が言ったら、ジジババどもに、「この不信心モンが・・」とか「「今までの風習を壊すのか・・」と言われてドツキまわされたかもしれん。

やっぱり、葬儀後の「念仏」は、遺族にもんのすごい負担が掛かっていたと思う。

「念仏」が有れば、来る人に一々頭を下げて礼を言い、茶を出して話し相手もし、長々と(たぶん)何かわからんモンを唱え、サッサッと帰ってくれないだろおし・・

この「念仏」の風習が無くなって、越後屋もホンマに喜んでいた。

もしこの風習が残っていたならば、葬儀の気苦労・疲れは倍加してたと思う。

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